小学生時代に、幼なじみの友人から聞いた話がずっと記憶に残っている。

道路開通のため、山を切り開いた跡にできた小高い崖。

ある春先、友人が崖の上に立つ1匹の狐を見つけた。

狐は目が合うと瞬く間に去っていったという。

「その時さ、尻尾のたくさんあったっさね」と彼は最後に言った。