ザリガニ釣りが流行ったあの頃。


学校帰りに上級生グループに同行し近所の池へ向かった。

釣スポットに到着すると、手際良く糸を垂らし始める少年たち。

僕もザリガニを確かめようと水中を覗き込んだ瞬間、池に引き込まれた。

ランドセルがズレて頭からダイブしたのだ。


池は想像以上に深く、水は重く冷たい。

黄緑色のもやの向こうに黒い影が動くのが見える。

踠きながら水を数回飲んだ時、ランドセルごと引き上げられた。

助けてくれたのは兄だった。